ヨーロッパロシアとシベリアの狭間に位置するエカテリングルクを本拠地にしている航空会社。日本ではかなりマイナーなエアラインだ。ロシアのエアラインと言えばその特徴はなんといっても旧ソ連機だ。確かに少し前までは、今回のモデル同様のTu-154や134、IL-62など、独特のフォルムの機体が戦闘機のような甲高いエンジン音を奏でながら飛んでいた。
ウラル航空は2011年にこのTu-154Mを全機退役させている。他のロシア系エアラインも2010年前後にそのほとんどを退役させた。退役の理由のひとつは老朽化であるが他に重大な理由が2つある。1つは経済性だ。一説によるとこのTu-154Mを黒字で就航させ続けるには搭乗率80パーセントが損益分岐点だったそうだ。これはかなりのハードルだ。そしてもう1つが事故率の高さだ。Tu-154は計1000機ほど製造されたが、この内約4パーセントにあたる38機が事故で大破している。当時のメドベージェフ大統領もこの事実を受け止め運行中止を告げている。こんなことからここ数年の間に旧ソ連機は急激に数を減らした。今や全世界の絶滅危惧種である。
さてこのウラル航空の機体、見た目も鮮やかなスカイブルーが特徴だ。ボディは前部のロゴからそのままチートラインへ連続し流れを感じる。また尾翼にもロゴが配されていて全体的なバランスは◎だ。この3発Tu-154Mに良く合うデザインだ。しかし近年デザインの変更がなされ、ロゴは少しくずしたより柔らかいタッチのものとなり、機体デザインもホワイトボディをベースに尾翼から続く弓なりのラインを配した今風のものとなっている。悪く言えば特徴がなくなったのかもしれない。
まだロシア機が飛んでいたつい数年前の名残を留めるモデルとして大切にしたい。
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