2015/04/30

緑のナショナル・フラッグ☆エアリンガス B747-100

緑にクローバーといえばアイルランドの象徴だ。そのアイルランドを代表するエアラインがエアリンガス。現在、勢力的にはLCCで急成長を遂げているライアンエアーに完全に押されている。こちらはギネスビールを思わせるハープのデザインだ。
モデルはInflight500製のかなり貴重な一品だ。もはやオークションでしか入手不可能で、たまたまそのチャンスが巡り運良く手に入れることが出来た。今の同エアラインは小型機が中心であり、若干のA330とB757が北米路線を展開しているに過ぎない。このようなジャンボ機がアイルランドにもいたことは今では想像し難いが、当時は一国を代表するナショナル・フラッグならどこも競い合うようにジャンボ機を発注していた。まさに堂々たる国の代表なのである。機体デザインの特徴は何と言っても緑の塗装だ。そして分厚いチートラインも特徴のひとつだ。これによりしっかりとしたボディーラインが確立される。エアライン名がそのチートラインの下前方にさり気なく配されているのは何気に品を感じる。
初代ジャンボ機B747-100は美しい。その中でもアイルランドの珍鳥ともなれば感慨深い。

2015/04/29

吸収されて消滅したエアライン☆カナディアン B747-400

カナダのエアラインと言えばまずエア・カナダが思い浮かぶ。一昔前なら間違いなくカナディアンだったのではないでしょうか。エア・カナダもカナディアンももともと存在していたが、日本へ就航していたのはカナディアンの方だった。当時、エア・カナダは日本ではむしろマイナーな存在だったはずである。
そんなカナディアンのジャンボ機モデルは古いStarJets製だ。約15年前のモデルとは思えないシャープで繊細な出来は、今のヘルパ製と比べても全く引けをとっていない。尾翼からボディーへ連続したようなダイナミックなデザインは当時として斬新だったはず。全体としてはシンプルで90年代を代表するデザインといっていいだろう。
エア・カナダに吸収された後もしばらくジャンボ機は活躍したが、現行塗装になる前に全機退役してしまった。 カナダ籍のジャンボ機はもうモデルでしか見ることができない。

正真正銘インドのナショナル・フラッグ☆エア・インディア B747-400

新興エアラインが立ち代り入れ替わりのインドの中で、ずっと君臨するナショナル・フラッグ、それがエア・インディア。最近では日本路線でもB787を投入するなど機材の世代交代が始まってるが、最近まで成田などではジャンボ機が定番だったはず。大きな機体に灼熱のインドを表現しているかのような明るい機体デザインはどこから見ても良く目立っていた。ドリームライナーになってから、デザインがちょっと控えめになったような変更が成され少し残念だ。
さてこのモデル、実は結構レアものである。少し古いInflight500製のモデルで、出来は申し分ない。ヘルパからもOG時代に同型機が出たことがあるが、出来は比べるまでもない。Inflight500のモデルはどれも作りにメリハリがありシャープでバランスが良く美しい。何度もこのブログでも書いてきたが、こんな素晴らしいブランドがなくなったのはコレクターにとって非常に残念だ。エア・インディアの機体デザインはこの暑苦しいくらいの派手さが◎である。しかしただ単に派手というだけでなく、窓枠がインドの宮殿をイメージしたデザインになっていたり、エンジンカウルにも尾翼と同じ柄が入っていたりと結構凝っている点に注目したい。この柄だが、灼熱の太陽ではなくコナラーク寺院にある車輪のレリーフと白鳥の組み合わせだそうだ。あまり知られていないだろう。
もう日本への乗り入れもなくなったエア・インディアのジャンボ機。記憶に留めておきたい貴重な一品だ。

与圧なしの箱形機☆BAエクスプレス ショート360!

1/500ではおそらく最小クラスのモデルだろう。イギリスのショート・ブラザーズという機体メーカーが製造した小型機だ。前身のショート・スカイバンという機種がベースになっているらしいが、こちらはかつて海上保安庁も保有していたさらに滑稽なフォルムの機体である。いずれも与圧機能がないので箱型のボディが特徴。要するに気圧が低く酸素濃度の低い高度飛行はできないということだ。
さてモデルは英国機体メーカーにふさわしいブリティッシュ・エアウエイズ・エクスプレスだ。紺色がしぶい落ち着いた旧塗装時代のもの。今の明るい塗装より英国らしい気品が感じられるので、個人的にはこちらが好きだ。日本で言えば礼文島や三宅島のような島嶼や地方の小さな空港へのアクセスに活用されていたのだろうか。さすがに今はもういない。
ボンバルディアのQ100とほぼ同じサイズながらこちらは6枚ブレードのプロペラだ。小さいながらしっかり主張してくれるユニークさが◎なモデルである。

2015/04/11

最近のヘルパウイングス製品の品質について★

世界的モデルエアプレーンに関する交流の場と言えば「Wings900 Discussion Forums」だろう。この中の1:500カテゴリーのスレッドを見ていて最近目立つ話題がある。それはヘルパの製品品質の劣化を嘆く声だ。「今こそヘルパをボイコットする時!」というスレッドがあるとかと思えば、「文句ばかり言わずに1:500にこだわる理由を語ろう」という肯定的なスレッドもある。いずれにせよ新製品やコレクション自慢の場だったはずのBBSがこのように荒れだしているのは事実だ。特に今年になって発売されたロッドに関して世界的に不良品が多のが理由のようだ。
代表的な不良品例として、「527293  Pan Am Boeing 747-100 "Test colors"」の機体前部にある機体名のスペルミス(○spark→×sprak)、「527323  SAS Scandinavian Airlines Boeing 737-800」のレジ番号の印字エラー、「527002 Delta Air Lines Boeing 767-400ER "Pink Plane"」のノーズギアの取り付けミス(前後が逆)などだ。このような事例が同一時期に重なってしまったというのは大変残念だ。ヘルパのような老舗ドイツメーカーがこのようなイージーミスに気づかず出荷してしまったのはちょっとした事件かも知れない。正式な謝罪と商品の交換を求める声もあがっている。
このようなスレッドを受けて1/400への転向を示唆する声も多い。一方ヘルパのミスは重大だが、1/500にこだわり続けたい声も多い。1/500は歴史が長い。コレクターの多くはこのスケールモデルの世界に多大な投資をしてきたので、スケールを鞍替えするのは大変な決断となろう。「ヘルパウイングコレクション」シリーズをはじめ1/500スケールモデルというのは、既に世界的な趣味のカテゴリーのひとつだ。鉄道模型で言うNゲージやHOゲージという世界と同じだ。
ヘルパ社は今回の不良品騒動をきっかけにもう一度原点を見つめなおしてもらいたい。同社を構えるディーテンホーフェン村はヘルパ城下町だったはず。この村の住民の多くがヘルパ関係者であり、自宅で内職する主婦も多かったと聞く。ドイツ国内生産にこだわり価格競争には加わらないブランド力を築き上げてきたことは有名だ。中国など海外での委託生産は納期の遅れが常態化し、特に検品体制が貧弱なのは承知のはず。近年の価格高騰の主な理由が人件費の高騰なら、それに見合った生産クオリティを中国の委託会社に強く求めるべきだと思う。それが無理ならドイツ国内生産に回帰する時だと思う。

2015/04/09

ヘルパ1/500 2015.7-8月のリリース予定について

ようやくといったところか。前発表から今度はずいぶん間隔を開けての発表となった。もちろん7-8月期のリリース発表なのでその時期に出荷できれば何も問題ないのだが、遅れは常態化している。もっとも中国に生産拠点を持つ国内の模型メーカーもこのこの傾向は同じだ。

さて今回リリース、予想&期待していたモデルは何ひとつナシといったところだ。一方で予想だにしなかったモデルがいくつかあり、完全に空振りとも言えない。個人的な注目はScootのB777-200だ。sky500から最近発売されたばかりなのでまさかの発表だ。同一機種なのでヘルパの方が割安という意味で買いだろう。しかしB787-9でリリースしなかったのが悔やまれる。 欧州機ではルフトハンザのレトロ747-8iは案の定というところだ。しかし実機は腹部がグレーなのに対し、サンプル写真ではシルバーになっているところが謎である。アメリカのLCC、JetBlueの機種&塗装違いが早々に出るのはちょっと驚きだ。北米のコレクターへのサプライズプレゼントになるだろう。コアなところではエミレーツのクラシック機B727はちょっと珍しいかもしれない。全体としてみれば比較的平凡なラインナップだ。話題のA350のエアライン版がいまだにリリース予定にないのは逆にサプライズだ。

以下に2015年7-8月期のリリース(1/500の機体モデルのみ)の中からコレクションに加えたいもの、そうでないものをリスト化してみた。あくまで主観なのでよろしくお願いします。

2015/04/04

ナイジェリアの今のスター☆アリクエアA340-300

アフリカ最大の都市ナイジェリアの首都ラゴスに本拠地をおくアリクエア。ナイジェリアにもかつてはナショナル・フラッグであるナイジェリア航空があった。しかし財政難によりヴァージングループ出資のもとヴァージン・ナイジェリアとして運行を継続。その後ヴァージンが撤退し、今は社名も変更し見る影もないほどに縮小した。そんな中2004年にできた新興エアラインであるアリクエアは今や同国の航空需要の半数のシェアを占めるまでになり、事実上ナイジェリア最大のエアラインにまで発展した。アフリカ大陸で最も成長著しいエアラインとも言われている。
さて今回入手したのはこのアリクエアの4発エアバス機、A340-300である。これはヘルパが会員向けにリリースしたクラブモデルなので製造ロッド数は少なくレアモデルだ。たまたま行き着けの専門店で本店からの在庫を入荷していたのを見つけ購入できた。やはり値段は高い(sky500の新製品並)。
アフリカの他のエアラインにも言えるが、どこもデザインセンスは秀逸だ。中央アフリカ地方の現地民族の衣装などを見れば、色鮮やかでセンスを感じる。こういったセンスが機体デザインにも表れているのだろう。アリクエアの塗装はボディーの白を除けばたった2色だ。でも2色というのはもっともメリハリを効かせ、ダイナミックに表現できる最大色とも言える。これよりも色が多ければ少々うるさくなり、メリハリもぼやけてしまう。えんじ色と紺のツートンがやわらなか波を描くように機体を流れ、尾翼も同じトーンでデザインされている。社名とロゴとはやや控えめにさりげなく配されている。同エアラインは今後も機材を増やしていくようで、あのB747-8iも発注中なのだとか。今後のモデルにも期待したい。

微妙に塗装変更してきた中東の老舗エアライン☆サウディアB777-300ER

「砂漠の民のエアライン」というイメージにぴったりなカラーリング、デザインのサウディア。尾翼のデザインはイスラムを表す月と砂漠のオアシスに生えるナツメヤシと剣。古きよき伝統のデザインを今に引き継いでいるのは好感を持てる。今回はヘルパから最近リリースされた同社最大の機種B777-300ERの新塗装モデルを入手した。
既に同じヘルパ製A330-300モデルは所有しているが、今回のモデルと比べてずいぶん色の違いが目立つ。A333モデルは黄色が強く全体に濃いトーンだが、今回のものはそれと比べて少し緑がかった薄い黄色だ。今回の方がずっと実機に近いだろう。羽田へのロイヤルフライトの機会にぜひとも実物を確認したいところだ。それともうひとつ注目したいのは尾翼デザインの微妙な変更だ。これまで新月の左下弧の内側付近が月明かりを表すためかエメラルドグリーンから紺へグラデーションがかっていた。今回のはこれがなくなりよりシンプルになった。またエンジンカウルにも尾翼と同じロゴが入っている。そして社名の英語表記が「SAUDI ARABIAN」から、かつても使用していた「SAUDIA」へと改められた。2012年頃から全体的な印象こそ変わらないがマイナーチェンジを行ってきたようだ。モデルとなった機体は新塗装でのデリバリーとなった。
馴染みの薄い遠い異国のエアラインはモデルを手にして初めて塗装変更を知ることが多い。手のひらに乗る小さなモデルだが、細部までじっくり観察できるのは精密模型ならではの醍醐味である。

貴重なネオジャンボ機☆中国国際航空B747-8i

ボーイングがエアバスA380と双発大型機B777などとの間をうめる形で登場させたのが次世代ジャンボ機B747-8iだ。しかしもう時代遅れなのか、旅客型はなかなか受注に至らないようだ。そんな中数少ないオーダーエアラインのひとつ中国国際航空が昨年(2014年)より就航させている。今回はそれをヘルパがいち早くモデル化したもの。ルフトハンザに続き2機目のコレクション入りとなった。
中国国際航空のモデルは意外とレアで、過去にリリースされたB747-400も探してはみたがなかなか中古市場でも見つからない。eBayでは出ていてもかなりの高値取引きを覚悟せねばならない状態だ。また1/500では初めてのスターアライアンスロゴ入りの同エアラインモデルでもある。昔ながらのちょっとレトロとも思える塗装はそのままなので、最新鋭機にもかかわらずどことなくクラシックにも見える。-400と比べてずいぶん長く見えるのと、主翼やエンジンの形状も異なるので、クラシックジャンボとは印象は異なる。むしろB787の大型版といったところなのかも知れない。
いずれにせよ日本へはB737など小型機での乗り入れがメインなので、この機を見られるチャンスは皆無に等しい。しかしひょっとすれば今後も中国からの観光ブームが続くようなら、季節便での飛来は期待できるかも知れないが・・・。
あまり広がりを見せないであろうB747-8iモデルはコレクションの中でも貴重な存在になりそうだ。