セスナ機に乗り込むと、ビデオで見たのと同じような計器類が目に飛び込んできました。とは言っても実物を目のあたりにすると、さっき見たビデオの内容なんかどこかへ行ってしまいます。正直これでも初めて見ると圧倒されてしまいます。車の運転席なんかとは格段に違います。いよいよエンジンスタートです。よく覚えていませんがこれは難なくクリアしました。ヘッドセットを付けてベルトを締めてまずはタキシングからスタートです。ここは国際空港なのでいきなり本番です。練習なんかできません。もちろん同乗してくれるベテランパイロットのミヤジさんが交信は担当してくれます。僕はただ聞いているだけでよかったです。タキシングはミヤジさんの指示で、誘導路上の白線に沿って滑走路へ進みます。地上走行時には操縦桿は使えません。左右の方向はブレーキの微調整で行います。例えば右にターンする時は右側の車輪にブレーキをかけるのです。1機前にはアメリカンかデルタがいたのでその次の離陸だと聞かされました。ところがその旅客機は滑走路端で停止し、離陸のやり直しを求めた模様です。急遽先に飛ぶことになりました。初飛行の直前に離陸に失敗する旅客機を見てしまうのはなんか不気味です。しっかり両輪にブレーキをかけ一旦停止しました。「GOサインが出たので、ハイ、スロットルを押し込んで!」。滑走路を進みだしました、「もっともっとぐぃ~と思いきり押し込んで!」。ほどなく機体が浮かび上がりました。意外にもあっけなく飛び上がったのです。ボーっとしているとすぐに左右どちらかに曲がっていきます。「それでは上昇をやめて、向こうに見えるあの高いホテルを目指して飛んでみよう」「高度計見て、少し落ちてきてるよ」「いい感じですよ」「じゃあ、今度は海岸線にできるだけ沿って飛んでみて」「旋回する時は失速に気を付けて、少しスロットルをあけながら」「水平機と高度計を見て」「慣れてきた?」「じゃあ、ちょっとアクロバティックな飛行に挑戦してみますか?」・・・・
わずかな時間だったと思うけど、結構な時間飛行していたように思いました。しなければいけないことが想像以上に多いので。「じゃあ空港に戻りましょう。着陸許可が出ました。」「そのまままっすぐ、少しずつ高度を下げて」「ハイウエイを越したらぐっと高度を下げて、滑走路のセンターラインに降りましょう」「少しくらいバーンと降りて大丈夫!その程度で壊れませんからね」・・・そんなやり取りの中無事に帰還。なんともすがすがしい体験でした。事務所に戻るとかなり素質があるのでライセンス取得を考えませんか?と誘われました。一応パンフレットだけ頂いて帰りました。まさか、社員旅行でこんな体験をこっそりできて大満足です。後に同僚に驚かれたのは言うまでもありません。
ちなみにこの時操縦したのは現在不動となってしまっている登録番号N5252Rの機材で、ミクロネシア航空ではこれを復活させるための企画をやっているようです。下記サイト参照。
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