映画やドラマの中に実在の飛行機が登場するシーンがある。そんな中でも有名な作品に登場するものをシリーズで紹介していきたい。第1回は世界的に大ヒットしたアメリカのTVシリーズ「刑事コロンボ」からピックアップ。第2シーズンの名作「ロンドンの傘/Dagger of the Mind 」からヒースロー空港のシーンで登場する2機。70年代初頭のヒースロー空港の雰囲気を伝える貴重な映像でもある。
★パンナムのB707(上/作品中 下/同種モデル)
コロンボ刑事が視察でロンドン警察(ニュースコットランドヤード)を訪れる際、ヒースローに降り立った時のシーンで登場。比較的きれいに映っているがレジ番号までは確認できない。機種はB707-300だろうか。Herpaの同種モデル(B707-300)と比較してもほぼ間違いないだろう。いずれにせよ当時の主力機だ。まさに航空界のトップに立とうとしている全盛期の頃のパンナムの姿か。ドラマでは空港到着後に荷物紛失のアクシデントに遭うのだが、当時から荷物紛失で有名だったヒースローをうまく劇中シーンに取り入れている。
★BEAのHS.121 TRIDENT(上/作品中 下/同種モデル)
ヒースロー空港を後に車でロンドン警察へ向かうシーンの冒頭に登場。イギリスらしい絵ということで効果的にこのカットを採用したのだろう。Inflight500の同種モデル(HS.121 TRIDENT 3B)と比較するとかなり胴短に見える。ヒントは第2エンジンの吸気口に書かれている文字列だ。調べてみると「Trident」「Trident Two」「Trident Three」のいずれかのパターンのようだ。拡大してみると2単語ある。モデル機と比べてかなり短いことからほぼ間違いなく「Trident Two」に限定される。